夢その2: ボツワナのカラハリ砂漠でマグロの解体ショーをする(前篇)

私たちは固唾をのんで見つめていた。

ごごごごご、とトラックの後部が開かれた。

ふわわーー。隙間から冷たい蒸気が白く立ちこめてサバンナの地面を這う。

 

鋭い日光でトラックの車体がきらりと光る。

このトラックは、ケープタウンで一台だけしかない特注の冷蔵輸送車なんだ。

このトラックを見つけるのはすっごく苦労した。

いくらアフリカの物流基地ケープタウンといえども、このサイズの冷蔵輸送車はなかなか見つからなかった。

知り合いのつてをたどって、ようやくゲットした車である。

荷台を改造して、いくら車が揺れても、中の水槽は揺れないような装置を付けたんだ。

 

マグロは鮮度が命だ。

だから、私たちは水揚げされたマグロを、漁港から生けすの中で生かしたまま輸送することにした。

無事にトラックはここ、カラハリ砂漠に到着した。

しかし、果たしてマグロは無事に生きているだろうか?

餌はたくさん与えたので大丈夫だと思うが、ストレスとかで死んじゃったりしていないだろうか?

何しろ初めてのことなので、不安ばかりだ。

 

そんな不安はよそに、ぴょんっ、ぴょんっ、と現地スタッフ達ががつぎつぎと荷台に飛び乗った。

その数6人。

みんな、すごいジャンプ力だ。

それぞれ打合せ通り、間隔を取って水槽の側面に配置する。

ニヤリ。最後尾のスタッフが後ろを振り向き、私に親指を立てる。

マグロは、、生きているということか?

 

しゃがみ込む6人。

「いっせーのっせ!!」

勢い良い掛け声とともに水槽を持ちあげると、いとも簡単に巨大水槽が宙に浮く。

「せーーの!!」

間髪をいれず、6人同時にジャンプ!

水槽は、きれいに水平を保ったままスル―っと荷台から飛び出した。

練習の成果はバッチリだ!

どすーん!

砂埃を上げ、6人は同時に着地。

課題だった着地も完璧である。

膝をうまく使って衝撃を吸収し、さざ波程度の水面である。

 

マグロは??私はすぐに水槽に駆け寄る。

黒い塊は水の中でじーっとしている。

おい!

おーーーい!

マグロ!

私は必死で声をかける。

パチン!

マグロの目が開いた。

寝ていたのだ。

マグロはきょろきょろと一瞬あたりを見渡し、眩しそうに太陽を見つめた。

見慣れない砂漠の環境に戸惑う様子であったが、自分の体がいつもの海水に包まれていることが分かると、

すーいすい、背びれを振って泳ぎ始めた。

 

やったーー!

われわれは歓声を上げた。

マグロは、無事に生きていたのだ。

 

後編に続く、、、

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コメント: 5
  • #1

    田中角栄 (木曜日, 03 7月 2014 00:51)

    マグロは回遊魚だと知っていますか?
    一時間に何百キロという距離をずっと泳ぎ続けなければ死んでしまう魚です。
    あなたはビジネスのセンスと、演出と、文章力のセンスがなさすぎる。
    もしよければ、あなたの意見を聞かせてください。
    あなたの想いと価値があえば、友達の誕生日に依頼を考えています。

  • #2

    飛脚の加藤 (金曜日, 04 7月 2014 09:46)

    田中さま、こんにちは。
    コメントいただき光栄です。ありがとうございます。

    私の不勉強でございました。
    おっしゃる通り、マグロは回遊魚ですので、生きたままの輸送は不可能であります。

    ご指摘ありがとうございました。

    ここに書いた物語は非現実的なおとぎ話です。
    より、現実的なプランとしては以下を考えております。

    マグロは日本近海にて日本の漁師に釣ってもらう。
    港にて冷凍し、冷凍空輸でヨハネスブルク空港へ(約1日)。
    ヨハネスブルクにてあらかじめ、チルド輸送車と十分な量の氷を確保しておく。
    ヨハネスブルクからボツワナ・グウェタへ移動(約1日)。
    グウェタにて解体ショーを実施。

    必要な費用ー約300万円

    専門家の話では、氷、しかも良い氷をどうやって調達するかが一番の課題だろう、ということでした。

    このプロジェクトを通じて、<正義とは何か?>という問いを世界に突きつけたいのです。

    グウェタで会った警官が嬉しそうに手招きして、これ見てよ!って言うので彼のPCのところに行くと、延々と象の解体ショーの写真を見せられて、野蛮だなあと思いました。

    帰国後ほどなく友人がねえねえこれ見てよ、というので、見ると、友人は嬉々として、マグロの解体ショーの写真を僕に見せてくれました。

    この二つの体験で、野蛮さってなんだろなあ、と僕の心は混乱しました。

    その混乱を表現したいなあと思い、今回ボツワナでのマグロ解体ショーを企画しています。

    もし想いにご賛同くださるのでしたら、ぜひご協力くだされば幸いです。

    ありがとうございます。

  • #3

    田中角栄 (日曜日, 06 7月 2014 12:07)

    あなたの思いはよく伝わりました。
    きっかけについての記述、僕は個人的に感動しました。
    ただ、必要経費が300万というのは、予算を大きくこえていたので前向きに検討、とだけお伝えさせてください。
    最後に一つだけ質問です。
    なぜあなたは飛脚の格好をしないのかを教えてください。

  • #4

    飛脚の加藤 (水曜日, 09 7月 2014 22:29)

    田中さま、
    コメント返信くださり、ありがとうございます。
    共感くださってうれしいです!
    予算については、みなで知恵を出し合って、低く押さえたいと思っております。

    格好についてですが、
    たしかに、もっと飛脚らしい分かりやすい格好をしたいとおもっているのですが、考えるのが後回しになってしまって普通の格好をしている、というのが実情です。。。
    この点についても、よいアイデアあればいただけるとうれしいです!

    今後とも、よろしくお願いいたします。

  • #5

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飛脚の加藤

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